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高次脳機能障害の理解を広げたい 地域で福祉と文化がつながる

高次脳機能障害とは

  

     
脳機能の中の高次な部分
つまり
言語・思考・記憶・行為・学習・注意
などに障害があらわれ、
今までに出来ていたことが出来なくなる障害です。
 
 高次脳機能障害になったらどうしたらいいのでしょうか?
 突然、家族の一人が交通事故やスポーツ事故に見舞われたり、脳血管障害等で病に倒れ脳損傷を負った時、見守る家族は、この先どうしたらいいのか、どこに相談したらいいのかなど諦められない思いと将来の不安とが入り混じり、無我夢中である時期を過ごします。
 ほとんどの脳損傷者は、脳の損傷部位と損傷程度により、改善の度合いは個人個人異なるもの、改善に多くの年月を要します。
 今までと同様の生活にすぐ戻るというにはなかなか難しいことで、家族はそこのところ腹をすえる必要があるでしょう。
 家族にとって必死な無我夢中のじきが過ぎても、本人は以前の状態に戻るわけではなく、家族は模索し続けています。暮らしやすい生活にもっと近づけるには、どうしたらいいのでしょうか?当事者のもともと持っている個性とか受傷後脳の損傷程度や状況を見ながら、
@リハビリ(機能訓練・就労訓練・社会復帰・生活リハビリ・社会参加など広義な意味でのリハビリ)
A使いやすい福祉機器を開発していただく一方当事者は補助器具を使うことに慣れること(たとえばGPS付きの携帯電話。ナビやアラーム機能等)
B環境調整
 (ご近所・友人たち・作業所・会社など当事者を取り巻く周囲の方々に当事者が負った高次脳機能障害者の理解をしていただくことが必要になります。当事者を理解していただくには、一番の理解者である家族が大切な役割を担います。)

をしていくことが必要です。
残念ながら元の状態に戻ることは難しくとも、@〜Bをしていくことで、暮らしやすさへの改善が期待されます。(個人差はあります) 高次脳機能障害者の場合は、当事者が自分からどうにかしようとするには限界がある場合が多く、特に、発症前の本人を良く知る家族の協力が鍵となると言えるのです。
 相談所・作業所・家族会に関しては…とうきょう高次脳機能障害インフォメーション
 診断基準に関しては…高次脳機能障害者診断基準
 
高次脳機能障害者とその家族にとって 大切なことは・・
 「今の自分は本来の私ではない」
障害を負い、誰よりも辛くて悔しいくて、苦しんでいるのは本人自身です。

家族は、ちょっとでも回復が見られると、這えば立て、立てば歩めの思いと焦りから、ついつい期待が大きくなってしまいます。
家族に出来ることは、ありのままの今の本人を受け入れてあげることと、本人にプレッシャーとならない程度の期待感を持つことから始めていくことでは?
そうすることで穏やかな「回復・生活しやすさ」にもつながっていくのです。
さらには、当事者自身と家族の間で新たな人間関係を模索していくことが求められていくのです。
 
福祉行政や地域との信頼関係の構築が必要 
 ♪ 医療から福祉へ途切れることなくつながることが大切です。
♪ 医療関係者。福祉・行政関係者。地域の皆さま。ボランティア。支援者。
  当事者・家族がつながることが大切です。
 
  上で述べましたように、身辺を見守り、発症前から本人を一番よく知っている家族の協力がなければ本人の改善にはつながりにくく、反面、家族が思いこみに陥ることも考えられるので、専門の医師・医療スタッフとの協力や意見の交換が大切な要素となります。そこからさらに、福祉・行政関係者との連携 途切れることのなく繋がっていって欲しいのです。

 毎日毎日共に本人のことと自分のことを考えねばならない家族は疲れ切っており、疲弊した状態が続いています。家族には息抜きをする時間が必要なのです。当事者と家族を引き離す時間を持ち、息抜きができることで、また、本人と向き合えるエネルギーが湧いてくるのです。

 もともとの個性に加え、損傷部位や損傷程度により状態の異なる本人の高次脳を理解し、安心して任せられる居場所がほしい…と願わずにはおれません。

 年月の経過とともに改善はあるものの、元の生活に戻ることの難しい高次脳機能障害には、相談事業や本人の社会参加も含め、受傷当初から途切れることのない、医療・福祉・行政や周囲の方々との協力、連携が大切です。